本と私と魔法使い
「説明した方がよろしいと思いますけれど」

いつの間にか出てきたアイリスは偉そうに腕を組んで、和泉にそう言った。アイリスはフードのついたマントを脱いで、真っ赤なこういうのマーメイドラインっていうんだっけ?のドレスをきていた。そして、豊かな胸を惜し気もなくさらしている。


「けど、それは図書委員会の、学園の秘密に関わるだろう?」

「臨機応変です。それに、この子に勉強を教えになるんでしょう?でしたら、誤魔化せないと思いますが」


アイリスは上目遣いで和泉を見つめにこりと笑った。

確かに、和泉はそう言うと私に神妙な顔で聞いた。


「お前」




< 16 / 251 >

この作品をシェア

pagetop