本と私と魔法使い
「あれ?どっか行くのー?」
私の部屋にまたも不法侵入してきた和泉が聞いてくる。
「まぁね、そんなとこ」
鏡を見てペパーミントのシュシュで短めの髪をまとめる。
「髪、長くしないの?」
ちょん、とまとめた毛先を和泉は触った。
「長いの似合わないから」
「どっちも似合うと思うよ?」
口の端を上げて笑った。
血はつながってない…と聞いたけれど、その笑い方は宗一さんにとても似ていると思った。
「あ…もうこんな時間じゃん!!」
私は手近にあったバックに財布とケータイを突っ込んだ。
「私ね、お父さんに会いに行ってくる、」
ドアノブに手をかけて和泉に笑いかけた。
和泉は目を大きく開いた後、いつもの表情に戻って、
「いってらっしゃい」
そう声をかけてくれた。
「いってきます」
振り返らずに手を振って私は部屋を出た。
汗がじわりと滲んでいた。リビングにも顔を出してお母さんにも伝えておく。
「ちょっとお父さんに会いに行ってくるね。」
「そう。いってらっしゃいね」
背中を向けて洗い物をしていたから表情がわからなかった。
―…
私の部屋にまたも不法侵入してきた和泉が聞いてくる。
「まぁね、そんなとこ」
鏡を見てペパーミントのシュシュで短めの髪をまとめる。
「髪、長くしないの?」
ちょん、とまとめた毛先を和泉は触った。
「長いの似合わないから」
「どっちも似合うと思うよ?」
口の端を上げて笑った。
血はつながってない…と聞いたけれど、その笑い方は宗一さんにとても似ていると思った。
「あ…もうこんな時間じゃん!!」
私は手近にあったバックに財布とケータイを突っ込んだ。
「私ね、お父さんに会いに行ってくる、」
ドアノブに手をかけて和泉に笑いかけた。
和泉は目を大きく開いた後、いつもの表情に戻って、
「いってらっしゃい」
そう声をかけてくれた。
「いってきます」
振り返らずに手を振って私は部屋を出た。
汗がじわりと滲んでいた。リビングにも顔を出してお母さんにも伝えておく。
「ちょっとお父さんに会いに行ってくるね。」
「そう。いってらっしゃいね」
背中を向けて洗い物をしていたから表情がわからなかった。
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