本と私と魔法使い
「お互い好きになっちゃったんだから、仕方ないでしょうが…注意はちゃんとしてるよ?」
「多季も知っているでしょ?アーベル様がどれだけ…サリサに執着なさっているか」
サリサは、この屋敷からほとんど出たことはない。
アーベルが行動を制限しているからだ。
この事が彼にどれだけの影響を与えるかわからない。
「大丈夫だぁって…、アルザもイイヤツだからさ、」
「そんなこといくら分かっても仕方ないです…。」
はぁぁっと深いため息をつくと、多季はアイリスの腰に腕を回した。
「ちょっっ、ふざけないでくださいっ」
ぐいっと腕を押しのけようとするが出来ない。
「ふざけてないよー。本気だってぇ…、好きなコに本気でみてもらえないってつらいねー」
いつものような軽い口調。アイリスは形の良い目をつり上げて言う。
「知ってますのよ?あなたがどれだけの女性を口説き落としているかぐらい…、そんな、頭がわいたとしか考えられない男の言うコトを誰が信じますのーっっ!!離してください」
「相変わらずアイリスの声は良いね。例えそれが僕に対する罵詈雑言だとしても愛せるよ」
「相変わらずあなたは変です…、喋ってると疲れます…前々から言ってますよね?相手にして欲しければ、アイリスの花を持ってきてと、まぁ、このあたりには咲きませんし、ありませんけれど」
もう一度深いため息を落とした。こんな人がアーベルの側近だなんて…。
不安な気持ちをよそに雲ひとつない青空だった。
―…
「多季も知っているでしょ?アーベル様がどれだけ…サリサに執着なさっているか」
サリサは、この屋敷からほとんど出たことはない。
アーベルが行動を制限しているからだ。
この事が彼にどれだけの影響を与えるかわからない。
「大丈夫だぁって…、アルザもイイヤツだからさ、」
「そんなこといくら分かっても仕方ないです…。」
はぁぁっと深いため息をつくと、多季はアイリスの腰に腕を回した。
「ちょっっ、ふざけないでくださいっ」
ぐいっと腕を押しのけようとするが出来ない。
「ふざけてないよー。本気だってぇ…、好きなコに本気でみてもらえないってつらいねー」
いつものような軽い口調。アイリスは形の良い目をつり上げて言う。
「知ってますのよ?あなたがどれだけの女性を口説き落としているかぐらい…、そんな、頭がわいたとしか考えられない男の言うコトを誰が信じますのーっっ!!離してください」
「相変わらずアイリスの声は良いね。例えそれが僕に対する罵詈雑言だとしても愛せるよ」
「相変わらずあなたは変です…、喋ってると疲れます…前々から言ってますよね?相手にして欲しければ、アイリスの花を持ってきてと、まぁ、このあたりには咲きませんし、ありませんけれど」
もう一度深いため息を落とした。こんな人がアーベルの側近だなんて…。
不安な気持ちをよそに雲ひとつない青空だった。
―…