本と私と魔法使い
「わぁ、すご…」
アイリスは意地悪そうに笑って言った。
「触ってみます?」
アイリスは炎を私の手に触れさせようとする。
「ぅわぁっつ…くない?」
思わず瞑った目を開けると、和泉が笑いをこらえていた。
…こういうとき顔が無駄に整ってるから困る。
なんで腹立つ男に振り回されてるんだろう。
熱くなりかけた頬を冷まして和泉を見た。
「アイリスは図書館に縛り付けられた存在だからな。現実に干渉することはできない」
和泉は私に説明してくれる。
「…でも、アイリスは魔法?を使って私を閉じ込めようとしたけど?」