本と私と魔法使い
「今度は、ちゃんとした人?」


わたしの問いに、右手でピースして答えてくれた。お母さんは幸せそうに笑顔をつくっていて、あの頃のひきつった顔よりこの顔を見ていたいと思う。


「咲と同い年の子がいる人、…結婚しようと思ってる」
「そう、楽しみにしてる」



私の言葉にお母さんは、また笑った。


ー…


ちょっと落ち着いた感じのおしゃれ着をきた私は、待ち合わせの、これから相手のご馳走になるであろうお店を見た瞬間、凍りついた。



…高級すぎるだろう‼
レストランっていってもここはホテル、しかもそんじゃそこらの人間が行ける様なところじゃない。

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