本と私と魔法使い
「取り敢えず、素についてはあんま言うなよ?図書館の事についても」

「分かったわよ。和泉」


私は呆れながら返事をすると、あのさぁ、と私に言う。


「いい加減、和泉っていうの止めたら?どっちも和泉なんだから」

「嫌よ、言ったら何かあったって勘違いされるじゃない‼」


王子、王子って騒いでる子に睨まれるとか、無理。


「気にしなきゃいいのに、強情」

「じゃ、先戻るから、私。…あと、ちゃんと放課後図書館に寄るから、安心してね」


私は、和泉を残して屋上をあとにした。
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