本と私と魔法使い
教室に戻ると、数人の女子達に囲まれた。


「さーきーっ‼」

「ぎゃっ?!な、何?!」

「何じゃないでしょーが‼さっきの王子の態度は?ふたりの関係は?」


うわ、なんか凄い勢いて色々聞かれた気がする。
私がたじたじとしていると、


「ちょっと、待ちなさいな。咲が困ってるじゃない?」


人混みをかきわけて、谷村が入ってくる。


「谷村ーぁあっ‼」

「ここは1人ずつ、ね?まず私からー」


ん?


「王子は咲と読んでいましたが、どういう関係で?」


お前もか?!谷村‼
千亜に助けを求めたけど、微笑むだけだった。
…私に味方はいないのか?!


授業が始まるまで、私は質問責めにあっていた。
< 51 / 251 >

この作品をシェア

pagetop