本と私と魔法使い
奥の部屋は、きらきらとした銀の壁にいろんな石が埋められていて、大きな窓から射し込んだ光に反射して輝いていた。
「遅いです。全く、肩が凝ってしまうでしょ?」




アイリスがつん、と顎を持ち上げた。
…肩凝りするんだ。
と変なところで驚きつつ、謝っておく。



「お前を図書委員にすっから」

「はぁ!?なんで私が」



眼鏡を外して、いつも通りの話し方で私に言った。


「お前、あの本が開けただろ?あれは、サリサの魂の半分、つまり、心を意味するんだ。あれを開いたっつーことは、サリサがお前の存在を許したって事なんだよ。だから、俺らはお前を迎え入れる事にしたんだ。」


前も言ったように、監視も含めてな、と和泉が言う。


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