本と私と魔法使い
ー…
君は眩しい。
誰よりも、私の心に突き刺さって、痛い。
ねぇ、私達がこんなに離れてしまったのはいつからだっけ?
もう、
考えるのも億劫なくらいだよ。
ー…
っていうか、どこまで行くのよ‼
私は、ついにしびれを切らして目の前を走る笹木に叫んだ。
「笹木ーっ!待ちなさいよ‼」
「え、あ、和泉。」
私が叫ぶと、笹木が振り向いた。
「いきなり走り出して…なにがあったのよ?」
「ん…」
「とりあえず、…座らない?」
息を切らした、私に気を使ってか笹木は「そうだな…」と言って近くの木のそばに腰をおろした。