本と私と魔法使い
「着替えれば?」
「出て行きなさいよ‼」

そう言うと、あぁ、と言って、

「お前の着替え見ても、ムラっともこねぇ…」

バシィィッと私は枕を投げつけた。

「さ、最低っ‼」
「いや、だって、お前…」

すーっと私の顔から和泉は目線を下げて、
下げて…

哀れんだ顔をした。

「その、何か言いたげな目やめろ‼」

あぁ、私は泣きたいです。

どーにかして和泉を出し、着替え終わって、外に出ると、始まったばかりの冬の風が冷たく辺りを吹き抜けた。
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