本と私と魔法使い
ー…

夜の学校、しかも図書館は音がまるでなく、薄気味悪いことこの上なかった。

「うー寒…っ。」
私は自分の肩を抱きながらぶるぶる震えた。

「我慢しろって、…」
和泉はそう言いながら、ぽんぽん、と優しく私の背中を叩いた。
「…。」
優しいのか、意地悪なのか全くわからない。


「ごめん、遅くなったー。」

優しいふわりとした、千亜の声が静かな館内に響く。

「大丈夫。今からだから…」

「さぁ、図書館に危害を加える奴らを粛清しようか」
ニヤリと笑って和泉が言った。

「ねぇ、」

私は聞いた。

「しゅくせいって何?」

「…咲。辞書で調べてね。お願いだから」

「う…はい。」

…か、可想な顔をすんな!!
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