本と私と魔法使い
「来たぞ」
和泉がそう言って構える。
「え、どうしたの?」

隣にいた千亜も構えて、

「わたし、あっちの方を見てくるね」

そう言うと、走っていく。
何?どうしたっていうのよ?

「いるんだよ、ここには、化ケ物がな、」

そう言って、秘蔵書庫へ入った。
瞬間、あたりに響く呻き声。

「う゛、ぁぁあああぁあっ…・」

「え?」

それに驚いていると、ぐらり、と隣にあった本棚が私に向って倒れてくる。
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