本と私と魔法使い

「っ‼」

ーガシャーンッ
目を瞑ってその音を聞いた。


…痛く、…ない?


「大丈夫か?」

低い声が耳元で聞こえた。
私に覆いかぶさり、もろに本棚を受けた肩は相当痛いのか、顔をしかめている。

「だ、だいじょうぶって、和泉のほうが大丈夫じゃないでしょ‼」

なんで、
私を庇ったの?


「大丈夫?すごい音したけど」

千亜が向こうから顔をだした。私が和泉の事を言おうとすると、和泉の手が私を遮った。
< 72 / 251 >

この作品をシェア

pagetop