本と私と魔法使い
「大丈夫だよ、秦野さん。」

さっきのが嘘のように完璧に笑って、先行ってて、と千亜に声をかけた。千亜が安心したように笑うと部屋の奥に行ってしまう。

「和泉‼大丈夫なんかじゃないでしょ?!なんで、嘘つい…」

「俺には俺のやり方がある、ね?」

私の言葉を遮るように和泉が言い放つ。
扉を閉じられた様な、寂しい気持ちになった。

「解放」

そう言って、和泉が何も無いところから刀を取り出した
…って、刀?!


「お前は安全を確保しつつ、どっかにいろ」

そう言って、千亜の方へ行ってしまった。
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