本と私と魔法使い
ちょっ…おいてかないでよ!!ひとりとか、怖すぎるでしょ!!

ギィィィッという鉄の擦れる音やヒュォォォッという風音が反響して、何度もいうようだけど、気味が悪い。

「あらあら、置いてかれましたのね?」

頭上からの憎たらしい声は、

「アイリスーッ!!」

「ちょっ、何ですの?汚いのが移りますっ。」

1人で心細かった私はアイリスに抱きついた。今はこの嫌みも嬉しすぎる。

「二人とも置いてっちゃったんだよ?怖かったー」

「仕方ありませんよ、図書委員の仕事ですもの」
「だから、仕事って、なんな…」

私の言葉は突然の爆風に吸い込まれた。地面が揺れて、足元がぐらついた。
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