Never-ending story
黒いスーツとベスト、白シャツ、色白長い髪の人は皮肉染みた微笑を浮かべて言葉を続けた。
「数年前から税金の回収が緩くなり、いくつかの法案が可決されたでしょう。
あれも、地下組織で賄賂を渡して身分階級をお金で買わせる為ですよ。」
数年前から世界各地で経済が荒れて税金の回収が緩くするという奇妙な法案が可決されて実行された。
経済が荒れて赤字債務が追加されてしまうので、何故、増税をしないのかという意見も多かった。
しかし、各地で暴動やデモが頻繁に起こるようになっていたし、テレビの電源スイッチを入れると、着ぐるみを来た動物や恐竜達が看板を持って道路や線路を占拠していたので、大半の労働者は自宅でネットを利用して会議をして、仕事をするか、会社に泊まりこむことになった。

おまけに、デモを行う道路や線路付近に立ち、飲み物や食べ物を配り、デモや暴動を支持する人々まで出現するし、取材に行ったニュースキャスターのカメラの前にデモの看板をアップにして映し出し、取材により更にデモや暴動を助長するので、取り上げてはいけないようになってしまった。

暴動の過激さは激しくなり、酷い時は実験用の水素自動車にガソリンとアルコールを大量に掛けて、キャンドルに火をつけて聖歌を歌い、着ぐるみで行進をするし、町の中のショーウィンドウに手榴弾が投げ込まれたり、噴水に金属ナトリウムが投げ込まれたりした。

そして、電気の無駄使いに反対と叫びながら、中央にエレベーターがある駅をターゲットにして、中に小麦粉とアルミをばら撒いて火を投げ込んだり、線路の石を全部真夜中に撤去して電線に火をつけたり、真夜中にホームに燃料を運びバリケードを作り、火をつけたりとしていた。

そして、線路に大量の看板を撤去する為作業に追われるし、警備員の配置と夜勤を導入せざる終えなくなり、労働運動が起こりストライキを決行する職員が出て来た。

そんな背景もあり、民衆は表面的な穏やかで安息を手に入れる為の妥協案として渋々ながら納得した。

けれど、相変わらず、原発の汚染による農作物は売れず、その負債を補う為に更なる赤字を強いられていたし、飲食物の値段は狂ったように上がり続けたので、人々の生活を蝕んだ。












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