ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
じ…実はもう数年来の付き合いの彼女がいたりして。
なんかそれはそれで…うん…。
途端に敗北感に襲われ、この架空の話は無かったことにした。
平坂に限って、いや、そんなはずは、な。
………まぁ平坂のモテっぷりは俺が間近で見てるわけなんだけど。
「咲々乃、元気ないねー?」
「お前よりはな!」
「あははっ!呼び出しとかしちゃうのー?」
「…………えっ」
…うわ、しまった。
逆チョコのことで頭がいっぱいで、そっちはノープランだった。
「っ、ひ、平坂!どうしたらいいんだ俺!?」
がしっと平坂の肩を掴み前後に揺さぶる。
俺の切羽詰った様子にびっくりしたのか、平坂は目を丸くして少し困った顔をした。