ノンシュガー・ノンビター【VD中編】


「周りのみんなも浮かれてるね。咲々乃も貰えるんじゃない?」

「……そうか、確かに…ってだからお前と違って俺はモテないっつーの!」

「おれはモテないってば。白波さんから貰えたらいーね♪」

「…ま、まぁな。そりゃ嬉しいけど…」

「あ、」

「………てか貰ったときってどんな顔すりゃいいんだ…」

「ささの、」

「……俺絶対に顔に嬉しいですって出ちまいそうだよな…やべっ…」

「さーさーのー」

「…あ?」


平坂に肩を掴まれて視線を落とすと、


「なーにぼけっとしてんのよ、咲々乃!相変わらず間抜け面ねぇ!」

「…………うげ、夏村」


俺と平坂の進行を阻むように、教室の扉の前で夏村が仁王立ちになっていた。
< 19 / 97 >

この作品をシェア

pagetop