ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
「周りのみんなも浮かれてるね。咲々乃も貰えるんじゃない?」
「……そうか、確かに…ってだからお前と違って俺はモテないっつーの!」
「おれはモテないってば。白波さんから貰えたらいーね♪」
「…ま、まぁな。そりゃ嬉しいけど…」
「あ、」
「………てか貰ったときってどんな顔すりゃいいんだ…」
「ささの、」
「……俺絶対に顔に嬉しいですって出ちまいそうだよな…やべっ…」
「さーさーのー」
「…あ?」
平坂に肩を掴まれて視線を落とすと、
「なーにぼけっとしてんのよ、咲々乃!相変わらず間抜け面ねぇ!」
「…………うげ、夏村」
俺と平坂の進行を阻むように、教室の扉の前で夏村が仁王立ちになっていた。