ノンシュガー・ノンビター【VD中編】


つーか…お前、朝から言いたい放題だな。

間抜け面とかお前には言われたくねぇよ…。

なんだなんだ、バレンタインデーだからってお前までテンション上がってんのか?


「ちょっとー!うげってなによ、うげって!」

「朝っぱらからうるせーな…」


わざとらしく耳を塞ぎ、これ見よがしにでかい溜息を吐く。

俺のそんな態度を見て、夏村は背が低いくせに俺を殴ろうと腕を伸ばしてきた。

ムリムリ、届かねーって。


「ぐふ、っ!」


油断して笑っていたら腹に重たいのを食らった。

ってぇなぁ、お前!!


「咲々乃ってば、夏村さんだけにはひどいよね」

「いてて……ああ、こいつは小学校からの腐れ縁だからなー…。今さら優しくする気にもなんねぇよ」

「そもそもあんたに優しくされた覚えなんかこれっぽっちもないんだけど!?」
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