ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
夏村とはいわゆる幼馴染みってやつだ。
確か保育園のときから始まり、腐れ縁でここまで来た。
高2で全員同じクラスになってからは、よく平坂も交え3人で遊びに行ったりしている。
だがまぁ、なんとなく出会い頭に喧嘩をする癖がついていた。
「ふふ、仲いいんだねぇ」
…さすが、人の好意に気付かない鈍感。
毎度このやり取りを見ていて尚、それを言うか…。
別に仲が悪いなんて思っちゃいないが、なんだかなー…。
「そんなんじゃねえって。キャンキャンわめくなよ、あーうるせー」
「うるさいってなによ!咲々乃にはあげないわよ!」
「は?……ああ、お前の殺人チョコレートはいらねぇ」
「殺人?」
平坂が不思議そうに聞き返した瞬間、ぼふっと夏村の顔が赤くなった。
……やべ、地雷踏んだ。