ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
「咲々乃って身体弱いんだねぇ」
…………どこでそうなった?
「は!?お前なに聞いてた?だからこいつの作ったチョコの所為で、むぐっ」
「ほーら行くわよ咲々乃くーん」
「ちょ、まっ、こら、離せ!!」
身長差が結構あるにも関わらず、さすが慣れというべきなのか夏村は軽々と俺を引き摺っていく。
抵抗しようにも、本気で手を上げるわけにもいかない。
…そんなことしたらたぶん、俺、夏村の母さんにぶっ殺される。
「ばいばい、2人ともー」
相変わらず暢気な平坂はひらひらと手を振って来た。
くそ、人畜無害な笑顔だな…!
今の俺にとっては害があるけど!!