ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
…ぞくりと、何とも言えない悪寒が背中を駆けた。
この後のことを想像したら、思わず助けを求めていた。
「助けろよ平坂!!死ぬー!!」
「あんたねぇ!ひとを悪者みたいに言わないでくれる!?」
「これ完全に人攫いだろーが!!」
「毒味させてあげるだけよ!」
「ならなんで人気のないところに連れてくんだよ!殺す気か!!」
「お望みなら全部食べさせてあげるわよ!」
「やめろ、本気で死ぬ」
「最後に病院送りにしたのは2年前なんだから、いい加減その認識改めなさいよ!!」
「まだまだ最近だろーが!!」
……そんな言い合いをしていたら、あまり人がいない空き教室の方まで来ていた。
え、俺、ほんとに毒味させられる?
2年前の強烈な腹痛を思い出し、突然胃がキリキリし始めた。