ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
「あーくそっ、意味わかんねぇよ!」
「お、落ち着きなさいよ!て、てか、なんであんたが知っ…!」
…どうやら白波が言っていたのは本当らしい。
元より疑ってなんかいなかったが。
夏村の顔が真っ赤なことが、なによりもの確実な証拠だった。
急に頭から水をぶっ掛けられたような気分になり、身体の芯から熱が抜けていく。
……えーっと、確か。
白波はこいつがチョコを俺に渡したって勘違いしてたんだよな。
「……なぁ、渡す相手って、」
「っ、」
夏村がびくっと大きく肩を揺らし、気まずそうに視線を下げた。
それを肯定の合図と受け取り、小さく溜息を吐く。
「……だよなぁ…」
自分で訊いといてなんだけど、そんなのはわかりきっていた。
…今朝、告白されたからな。