ノンシュガー・ノンビター【VD中編】


てっきり“ごめんなさい、付き合えない”とでも言われると思っていた俺は面食らい、若干反応が遅れた。

夏村が好きって…。

そりゃまぁ仲は良いけど……白波からはそんな風に見えてたんだな…。

しかも“ずっと”って、言ったか?

ってことは今年の初めからずっと思われてたんだろうな…。

随分前から敗北宣言が出されていた気がして、無性に悲しくなった。


「しら…」

「…ありがとう、咲々乃くん。……わたしも咲々乃くんのことが、好き、です」


上擦った早口の言葉と共に、さっき俺の手を離れていった白波のチョコが、差し出された。

………え?

え?

ええええ?

ちょ、まて、

好…き……?

すき…?

…白波が、俺、を?




―――好き?

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