ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
「っ、ええええ!!ななななな、なんっ……!!」
「人づてに渡したりして…本当にごめんね」
…驚きすぎて言葉が出てこない。
え、なにこれ、ええ?
これがまさに夢オチってやつ?
あれ、え、ああもう自分がなに言ってるかわかんねぇ!!
受け取ることも出来ずぽかんと、ただただチョコと白波を交互に見つめる。
白波は困ったように頬を赤く染め小さく笑った。
「…直接渡すのが怖くなって……もし要らないって言われたらどうしようって…」
「なっ!そんなこと言うわけ…!」
「さ、咲々乃くんがそういうひとだとは思ってなかったけど、でも、そういう噂があったの…」
「噂…?」
「………本命は夏村さんだから、義理チョコしか貰わないって」
夏村との噂はどうやら俺たちが知らないうちに相当ひどいことになっていたらしい…。
聞きながら、くらりと眩暈に襲われた。