ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
そのまま白波の左腕を優しく掴んで引き寄せて、そっと抱きしめる。
身体をびくっと強張らせた白波の背中に貰ったチョコを潰さないように腕を回した。
白波は俺の腕に閉じ込められたまま、がちがちに固まっている。
…あー…可愛い、めちゃくちゃ可愛い。
両手で俺が渡したチョコをぎゅっと抱えているのがまた、たまらなく可愛かった。
「……白波、」
「っは、はい!!」
なんで敬語なの。
思わず吹き出すと、白波は涙目になって押し黙ってしまった。
…ああ、やばい、やばい、な。
白波の緊張が全身から伝わってきて、愛しさが込み上げる。
ばくばくと激しく主張する心臓も、小刻みに震える体身体も、全部、全部。
白波が可愛くて仕方ないと、俺に訴えかけていた。
でも俺の心臓もとうに限界は迎えているから、きっと白波にもこの音は聞こえているだろう。
……もっとかっこよく告白したかったのになぁ。