ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
この手のひとには数ヶ月に一度くらいの頻度で絡まれて、毎度同じことを聞かれる。
だからもうとっくに慣れたはず、だったのに。
「なーんだぁ、心配して損した!全然可愛くないし、これならヨユー!」
……なんで。
…なんでそんなこと、言われなきゃなんないのよ。
そんなこと言われなくても知ってるし、咲々乃や平坂と一緒に歩いていれば嫌でも解る。
特に平坂は人目を引く綺麗な容姿だから。
でもあたしは平坂との関係は聞かれない、傍目から見ても有り得ないってことだ。
咲々乃は幼馴染みだっていうだけなのに。
なのに、なのに、こんな風にバカにされて、……悔しい。
幼馴染みじゃなかったら咲々乃とはきっと仲良くなれなくて、お互いの家を行き来したりできなくて。
でもこの瞬間だけは、いつも、幼馴染みじゃなきゃ良いのにって思うんだ。
「……あんただって化粧で誤魔化してるだけでしょ、性格ブス」