レモン色の恋【ショートストーリー】
記憶
まただ。
ドキドキドキドキ
呼吸が苦しくなるくらいにドキドキしながら、バスを降りる。
受付にいる確立は、だいたい50%…
人気者のつばさ君は、忙しくてもみんなを迎えてくれることが多い。
少し汚れた自動扉が開くと…
真っ白な蛍光灯の灯りのしたに
輝く人がいる…
つばさ君・・・
今日は、髪が濡れていた。
そのボサボサ加減が、またかわいい。
年上なのに、かわいいだなんておかしいけど。
ニッコリと微笑みながら、言うんだ。
「お!!来たか!」
一人ずつの目をしっかり見て挨拶をしてくれるつばさ君。
私の目を見て
言ってくれたその一言が・・・
また私を恋の迷路に迷い込ませる。
『しっかり柔軟しろよ!』
顔が熱い。
恥ずかしくて下を向いてしまった私は、つばさ君の目にはどう映ったんだろう。
つばさ君は
私を覚えていてくれた?
それとも、偶然?
みんなに言ってるの?
違う・・・
覚えていてくれたんだよね。
柔軟体操の途中で、つばさ君に見とれていた私を・・・
つばさ君は
しっかり記憶してくれてたんだ。