レモン色の恋【ショートストーリー】
プールの中で笑っているつばさ君の笑顔は、子供のようだけど、
ちょっとだけ生えてるひげや、足の毛は、私のお父さんと似ていて、
『大人』だということを思い知らされる。
テーブルに置かれたキャンドルに、コーチ達が火を灯す。
今日は、幸運の女神様がついているみたい。
「メリークリスマス!!」
サンタの帽子をかぶったつばさ君が、私のテーブルに近付いた。
ドキドキが止まらない。
真っ暗な部屋の中で、キャンドルで浮かび上がるつばさ君の笑顔。
瞳がキラキラしていて、私は目を離すことができない。
「見とれんなよ~!」
小さな声で、そう言いながらつばさ君は私の肩に手を置いた。
今日は、忙しい。
私の体はおかしくなりそうだ。
一日でこんなにも良いことがたくさんあって、いいのかな?
テーブルの上で揺れる小さな炎を見つめたまま、瞬きもできなかった。
夢のような
この幸せを どうか、いつまでも覚えていたい。