レモン色の恋【ショートストーリー】
消えた炎
私はぎゅっと握りしめた手の中の紙を見る。
「39」
どうか、つばさ君が39番を引いてくれますように。
つばさ君と会えなくなっても、つばさ君にもらったものが私に残りますように…
目を閉じて祈っている間に、何人かのコーチからのプレゼントが誰かに当たっていた。
騒ぐ声を聞きながら、私の心の中はとても静かだった。
自分の心の声だけが聞こえてた。
『どうか…つばさ君のプレゼントが当たりますように』
そっと目を開けると、私たちのテーブルの上のキャンドルの炎は消えていた。
誰もが気付かないだろう。
静かに
音も立てずに消えたキャンドルの炎が
私の恋と重なった。