レモン色の恋【ショートストーリー】
運
さっき、声をかけてもらった時に私の幸運は使い果たしてしまった。
つばさ君のプレゼントは
隣に座る女の子に当たってしまった。
よりにもよってどうして恋のライバルに当たるんだろう。
そう思いながらも、隣に座っている特権で、つばさ君のプレゼントの中身を見ることができた。
大きな青いくじらのぬいぐるみだった。
低反発の素材で、枕にするととても気持ちよさそうだった。
泣きそうになった。
消えたキャンドルを見ながら、私ののどにしょっぱい物が流れた。
欲しい。
そのくじらが欲しい。