レモン色の恋【ショートストーリー】
何が悲しいのか
ショックなのかよくわからない。
ただ、ずっとつばさ君の字だと信じていたのに…
違ったんだ。
それが悲しかった。
その字を書いた女のコーチが
つばさ君とどういう関係なのか、そんなことは
私には大人の話過ぎてわからない。
ただ、なんとなく悲しくて
さみしくて
つばさ君が遠くに感じた。
彼女がいないわけがない。
あんなにかっこいいのに、女の人がいないわけがない。
ずっとそう思っていたし、もし、あの文字のコーチが彼女だとしても、私は何もできない。
子供過ぎて、私はただつばさ君を見つめることしかできない。
信じていたものが、違ったという事実が
ただ、悲しかった。