レモン色の恋【ショートストーリー】
「あゆ、入るよ」
お母さんは、何も聞かなかった。
何もかもをわかってくれているようだった。
テーブルに置かれた
『レモンスカッシュ』が
お母さんの愛。
何も言わず、2人でレモンスカッシュを飲んだ。
甘くて
苦くて
酸っぱくて
痛くて…
涙がこぼれるたびに、
レモンスカッシュを一口飲んだ。
悲しいけれど、
好きにならなきゃ良かったなんて…
思えない。
絶対に思わない。
こんなにドキドキして
切なくて
うれしくて
キュンとする気持ちを教えてくれたつばさ君。
私の甘酸っぱい初恋。