名前も知らない向こうのキミへ

食堂に行こうとした時にアイツが目に留まった。
そう、他校生の彼。

「アンタどこ校!?てゆうかなんでこんな所居るわけ。」

「あーお前か。サボリだけど」

「サボりって… お腹…空いてないの?」

「あーペコペコ。まさか奢ってくれんの!?」

「…焼きそばパンでいいんだったら」

「おおッ気がきく~」

気が付いたら焼きそばパンを2つ買いに行っていた。
金欠なのに何してくれてんのよ自分。

「…はい。」

「届かねぇよー」

キミはまたバカ笑いをした。

「あんたがこっち来なさいよ!!!」

「ほい」

私の言葉を無視して
キミは上から手を出した。

_____スタッ


・・・・・・・・綺麗。


教室から見るよりもずっとずーっと気持ちがよかった。


「ここ、俺のお気に入りの場所。」

「まあ、確かに景色はいいかも…ね。」

「お前もよく見えるしっ」

またバカ笑いした。

「さっきから笑いすぎ。それに好きな人って言ってるジャン…」

「あれ?元気ない感じ?…相談しろよ。」

キミは急に真剣な顔をした。

「…無理。早く食べなさいよ」

「ふ~ん」

「あんた、名前教えなさいよ」

「やきそばパンのお礼なにがいい?」

キミはいつも人の話を聞かないよね…
心の中でなんど思ったことだか。


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