名前も知らない向こうのキミへ
「ねぇかおる!!もしかしてさっき相談にのってもらってたの~?」
遊子はまた悪戯な笑顔で私に話しかけてくる。
「あんな奴に相談するバカいると思うわけ!?」
「あれ~?さっきパンを奢ってた人は誰だっけ~?」
遊子は私の事をなんでもお見通する。
嬉しいのか、嬉しくないのか…
「…うるさいなぁ。」
「ははッかおってばかわいいな~」
「相談は本当にしてない。」
「すればいいのに。最近元気なさそうだし」
やっぱり遊子にはバレバレだった。
「郁瑠…ちょっといいかな?」
こんな時に愛莉菜ちゃんから呼び出し…
嫌な予感だけが私の頭の中をよぎる。
「うん!」
何事もないようについて行ってしまった。
・・・・・この場から消えてなくなりたい。
本当はただただそんな思いだった。