名前も知らない向こうのキミへ

「どこ行くわけ?」


…うわッ 今一番聞きたくない声。



「大好きな親友じゃないと相談できないってか?」

彼はなんだか不満げな表情をしている。


「…じゃあ手、出してよ。」

「ほい。」

彼は笑顔で手を出してくれた。
なんであっさり相談しようと思ったのか
自分でもサッパリわからなかった。


_______ドサッ


「・・・・」

「何か言わねえと始まんねぇーじゃん」

キミはまたバカ笑いをした。

「…ふら」

「ん??」

「…ふ、ふ」

「なんだよ。」

「だから振られたの!!!!!!!!!!」

「…え?」

わけもわからずつい感情的になってしまった。
私の悪い癖…

「意味わかんねえよ…」

なぜか君は私以上に悲しんだ。
表情から嫌に君の優しさがにじみ出る

「私のほうが…私のほうが意味わからないよ!!」

「でもさ、告白したんだね。偉いと思うよ?」

「告白はしてない…。だけど、好きな子愛莉菜って子から教えてもらった。
振られたも同然だよね。」

私は下手くそな作り笑顔をする。

「…相手の気持ちなんて本人から聞かねえとわかんないじゃん。」

「見ててわかるもん!!!!!」

「いい加減にしろよ!告白もしてねぇ奴になにが分かんだよ。」

「・・・」

「…ごめん言いすぎた。」

「もういいよ!!!!!もう二度と私の目の前に現れないで!」


____________ダァァァ


あいつなんて… あいつなんて大大大嫌い!
いい人かも?と思うたびにアイツが嫌いになってゆく…
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