名前も知らない向こうのキミへ
他校生の君
_____キーンコーンカーンコーン


「かーおッ!!今日どうしたの??飯窪の事見てなかったけど~?」

遊子はまるで小学生のような悪戯な笑顔で私の服をツンツンしてくる。

「あんなの見てられるわけないじゃん!!涼介君あんなに…」

「かお、涼介君て呼んでんのー!?」

「ちょッ声デカイ!!!!!!!!!」

「ごめんごめん」

そう、私は妄想中の時や1人の時は
いつも涼介君と呼んでるの。

これも私だけの秘密だけどね。

「まあ、そゆ事だからいつも窓の外見てる。」

「外?外みても体育館と木しか…ってあれ!?」

遊子が大きな声をあげた。
でも、遊子の視線の先はいつもの風景だ。

「どうしたの?」

「かお、あそこに人いない…?人形なんて置いてあったっけ?」

「怖い事言わないでよ!!!」

たしかに体育館の屋根には人のようなものが見えた。
でもただ空をみているだけでピクリとも動かない。

「やば~い見えちゃったかも~~」

「ちょっと遊子、嬉しそうに言わないでよ!ほら授業始まるよ」

とりあえずあの人の事は忘れることにした。
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