名前も知らない向こうのキミへ
「悪いけど、私好きな子いるから!!」
「知ってる。廊下側のイケメンだろ??」
キミはそう満足そうに言ったよね。
なんだか悔しかった。
「ちがっ」
「そーだよ~ん」
「ちょっと遊子!!!!」
「いいじゃん!!アドレスも教えて相談しまくれば?」
あんなチャライ人に相談なんて考えられなかった…
とにかく、とにかく君には妄想タイムを邪魔しないでほしかった。
「とにかく授業の邪魔しないで!!!じゃあ。」
____ガラッ
彼の言いかけた言葉も窓の音でかき消した。
“とにかくヤナ奴だって事がわかった”
「あいつ嫌いッッ」
「え??かおの味方してくれてんのに?」
「見知らぬやつに心配されても余計のお世話よ。」
・・・・でも
心のどこかでは君の事を考えてたのかもしれない。