名前も知らない向こうのキミへ
_____キーンコーンカーンコーン
「かお~早く食べよ!!!」
「・・・・」
「かお??」
「遊子…見て、すごく楽しそう。」
「飯窪見て~今日愛莉菜が作ったんだ!!」
「うまそッ!!!俺にくれよ。」
「ぁ…じゃあさ、一緒にどう…??」
「ん?いいいけどくれよな?」
「うん!」
そのばで泣きたくなった。
涼介君の“好きな子”って…
「気にしない気にしない!早く食べよ?」
「…うん。あ、ちょっとパン買ってくる。」
この場から去りたくてどうでもいい嘘をついてしまった。
でもいつも遊子はやさしかった。