セノビモード
#2 オトメモード
『もう廊下でぼんやりしていたらだめですよ』
名月先生が私に言った言葉が、声が、頭から離れない。
もう、完璧に恋する乙女モードじゃないか。
…好きになったって、どうしようもない人なのに。
相手は先生で、私は生徒なのに。
「美咲危ないっ!」
「え?」
ぼんやりとしていた思考に、突如飛び込んできた声と、直後にボン、と顔に感じる衝撃。
…あ、忘れてた。
今は体育の授業中で、バレーの試合中だったんだ。