線香花火【完結】
線香花火
1;暑い昼下がりの夏
「はい、肉焼けたよ」
母さんがみんなに声をかける。もうお腹がいっぱいなのに母さんは次々、焼いてくる。
「光、焼きすぎだで」親父が母さんに顔を真っ赤にして呟く。
親父はビールやらお酒やらいっぱい飲んで顔が真っ赤で呂律が回ってない。
もう41歳なのに母さんにベタ惚れで。そんな2人の間にできたのが俺、中谷貴也(ナカタニタカヤ)。
心の大きな人間になってほしいという意味と人を大切にしてほしいという意味がこもってるらしい。
俺の2つ下の妹の結衣も中谷家の家族だ。