線香花火【完結】
「1年から試合出させてもらえるなら大したもんだ」やっぱり嬉しくて口が少し緩んでしまう。
「なあ、親父」俺は聞いてみようと思った。俺が陸上を辞めたことをどう思ったかを。
「なんだ」親父は前を向きながら聞いている。
「俺が陸上辞めたときどう思った?」親父はふふっと笑った。
「そーだな。少しショックだった。けど、お前はまた走るんじゃないかなーって俺は思った」
「え?」予想外の答えで一瞬立ち止まってしまう。