線香花火【完結】
「いやー俺が理由だろ?辞めたの。でも何となくお前はまた陸上を始める気がするんだ。」親父の言葉に返事はせずじっと親父の顔を見る。
「今は、経験する時期だ。いろんなこといっぱい経験してそれから自分の本当にやりたいことをやればいいんじゃねーか?」
胸の心拍数が速くなるのが自分でも分かる。なぜだか分からない。
でも親父の言葉にぐっと来たんだ。
「うん」
確かにバスケじゃ物足りないと思う自分がいる。
ボールがなかったらもっと速く走れるのに…
もっと広かったら思いきり走れるのにそう思う自分がいたんだ。