先生の恋、応援隊!!!
ガラガラ…
『失礼しまぁーす…』
『…おー…。』
…気まずい。
昨日あんなこと言っちゃったのがあって数学準備室には気まずい雰囲気が流れる。
相変わらず安斎は中庭をずっと見つめてるし、あたしは資料の整理と提出物の点検。
沈黙を破ったのは安斎だった。
『俺さ。住田先生のこと好きなんだ。』
『…知ってる』
『でも住田先生すっげぇモテててさ。』
『…うん』
『諦めるつもりだったんだ。ってかもう諦めてた』
『…そうだね』
途切れ途切れの会話。
でもそれを不快だと思わなかった。
『俺なんか無理だって思ってさ。けっこーふざけてて。でも…』
『でも。昨日お前に言われて気付いたんだ。
ほんとは諦めてなんかなかった。
諦めたフリしてたんだ。
自分が辛いから。』
中庭を見ながら安斎は少しだけ笑った。
その笑顔は、昨日の顔とは違って優しさに満ち溢れていた。
『きっと自分でも気付いてたんだ。ただ気付かないフリしてただけ。
そうだよな。片思いなんてカッコ悪いもんなんだよな。
…ありがとな』
そう言うと、あたしの方に振り向いて優しい笑顔で笑った。