Tolie.




「 絶対、逃がすよ 」




温かい両手で
頬を包まれて
お互いの額を
くっつけた。




目を瞑っていたら
彼はまた優しく額に
キスを落として私から
離れた。




「 ツバサ、諦めるなよ 」



帰り際にドアノブに
手をかけた彼が振り返って



「 俺が逃がすから 」




そう言って
前と同じように
ニカッと笑って
出ていった。





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