Tolie.

歪み





“諦めるな”
一輝にそう言われてから
一週間が経った。



「 アゲハっ… 」



“諦めない”
そう心に誓ってから
一週間。



「 逃げんな 」



冷たい声に冷たい手。
痣は増えるばかり。
彼に触れられるときは
目を瞑って時間が
過ぎるのを待った。






―――――もう、何度抱かれたんだろう。



彼の手から逃げて
そのたびに身体に
激痛が走る。



この行為に“感情”が
ないことは最初から
分かってた。





< 108 / 445 >

この作品をシェア

pagetop