Tolie.
彼は、私が抵抗しないと
暴力は奮わない。
抵抗しなくなってから
痣は減り、私の身体から
彼に抱かれた印が消えた。
「 ツバサ? 」
布団の中の自分の
身体を見ていたら
“何してんだ”と
一輝が覗きこんできた。
「 怪我は? 」
私が首を横に振ると
安心したように
薬箱を床に置いて
ベッドに腰かけた。
「 ……一輝 」
私に絶望したくせに
こうやって毎日のように
様子をみにきては
他愛もない話をして
適当な時間に帰る彼を
また私は
困らせようとしている。