Tolie.




「 前から言ってるけど、俺はお前を逃がしたい 」



私の手を振り払うと
一輝は両手で私の頬を
包んで、グイッと
自分の方へ向けた。




「 償いなんだよ… 」




一輝と龍一の過去は
私には分からないし
関係ない。
けど、“リカ”が
二人の過去に関係してるなら、
私は知りたい。




あのときの、名前を呼ぶ
龍一の顔が頭から
離れない。
彼の瞳に、私はいない。






―――――――なんで。




私とリカを、
重ねるの―――――…?





< 126 / 445 >

この作品をシェア

pagetop