Tolie.




「 ツバサが逃げたくないって言っても、龍が好きだって言っても、無理矢理にでもここから連れ出すから 」



「 ……ん 」




私が返事をすると
一輝は大きな溜め息を
ついて、肩の力を抜いた。





私は、膝を抱えて
話を聞いた。




「 二年前、龍と二人でバイク乗り回してた時に、リカって女に会ってさ 」




無意識に腕に力が入って
相槌もうたずに黙って
一輝の話に耳を傾けた。





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