Tolie.




「 真夜中の、路地裏。ツバサを見つけた場所にリカがいたんだ。 」




一つ目の、共通点に
無意識に眉を寄せて
先を聞くのが、少し
怖くなった。




「 全身傷だらけで、膝を抱えて泣いてたんだけど、嫌がるリカを龍が無理矢理連れ帰って、俺が手当てしてたら、リカが“ありがとう”って言ったんだ。無理矢理連れて来たのにありがとうかよって笑い飛ばしたら、リカも一緒に笑ったんだよね 」




振り返った一輝は
私が膝を抱えているのを
見て、苦笑すると
また向き直った。




「 人懐っこかったからすぐに元気んなってさ、 」



そこで、一輝は自分の
髪をくしゃっと掴んで
辛そうに息をはいた。




「 傷が治ったときに、“帰りたい”って、言ってきた 」




所々、自分の話を
されてるんじゃないか
ってくらいに共通点が
あって、途切れ出した
言葉に息を飲んだ。





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